協会について 業務について
「精度管理」への取り組み
健(検)診には測定能力の高さが求められます。国が掲げる受診率達成に向けいくら努力しても,この能力が低いと効果は出ません。当協会では能力をより高く保つために,全ての業務工程を適切に評価するとともに,県民の皆様に信頼される健診機関を確立するため,品質向上に向けた努力を日々重ねております。
● 当協会が実施している精度管理事業
- 精度管理事業1
- 内部精度管理の徹底及び医療職の技術研修の充実
- 精度管理事業2
- 専門医による専門委員会の設置や症例検討会を開催し、健康診断の精度を評価しています。
- 精度管理事業3
- 公的機関の精度管理事業への参加(外部精度管理)
- 精度管理事業4
- 精密検査医療機関からの情報に基づく検診精度の評価
- 精度管理事業5
- 各種認定
▲ 症例検討
▲ 研究委員会の開催
医療職の技術研修の充実
上部団体等が開催する技術研修会に積極的に参加することや,定期的な内部研修会を開催することにより,撮影技術や検査技法等,技術の向上に努めています。
各分野における専門医による各種研究員会を組織
X線写真や心電波形図の読影等の精度均一化や検診従事者の質の向上を図るため,専門医を中心とする各種研究委員会を設置運営しています。
各種研究委員会では,検診精度の評価や症例検討会の開催,最新診断技術習得のための講演会の開催なども実施しており,当協会の精度管理の要としての役割を果たしています。
● 各種研究委員会
委員会名称 | 委員の専門 | 代表世話人(所属) |
---|---|---|
肺がん検診研究委員会 | 呼吸器(内・外)科 放射線科 |
鬼塚 正孝(平間病院) 鏑木 孝之(茨城県立中央病院) 金敷 真紀(茨城県総合健診協会) |
細胞検査診断委員会 (肺がん) |
呼吸器(内・外)科 病理科 |
赤荻 栄一(古河市福祉の森診療所) 金敷 真紀(茨城県総合健診協会) |
消化器検診研究委員会 | 消化器(内)科 | 土屋 輝一郎(筑波大学教授) |
細胞検査診断委員会 (子宮がん) |
産婦人科 病理科 |
沖 明典(茨城県立中央病院) |
乳がん検診研究委員会 (乳房X線検査) |
外科,乳腺外科 放射線科 |
植木 浜一(茨城県メディカルセンター) |
乳がん検診研究委員会 (乳房超音波検査) |
外科,乳腺外科 放射線科 |
植野 映(つくば国際ブレストクリニック) |
心電図検査研究委員会 | 循環器(内)科 心臓(内・外)科 |
山口 巖(茨城県総合健診協会) 田口 修一(鉾田病院) |
眼底検査研究委員会 | 眼科 | 勝又 俊二(勝又眼科クリニック) |
腹部超音波検診研究委員会 | 消化器内科 (膵・胆・肝) |
田中 直見(小山記念病院) |
前立腺がん検診研究委員会 | (腎)泌尿器科 | 西山 博之(筑波大学) |
先天性代謝異常等研究委員会 | 小児(内・外)科 | 鴨田 知博(つくばキッズクリニック) |
公的機関の精度管理事業への参加(外部精度管理)
当協会の精度管理の水準を客観的に判断することを目的に,撮影したフィルムや血液等のサンプルを,第三者が行う各種精度管理事業に提出し評価を受けています。それぞれの評価において,毎回高い評価を得ており,常に一定の水準が保たれています。
● 外部精度管理事業一覧
精度管理事業名 | 実施機関 | 内容 | 評価対象 | 実施 回数 |
---|---|---|---|---|
X線フィルム評価会 | 結核予防会 | 指定された期間のフィルムを提出し,専門医等により撮影精度が評価される。 | X線フィルム (胸部) |
年1回 |
総合精度管理事業 | 全国労働衛生団体連合会 | |||
精度管理用サンプル検体を一般検体と同様に測定し,測定結果の正確性が評価される(分析装置の精密性に関する精度管理も含む)。 | 血液 | |||
精度管理調査事業 | 予防医学事業中央会 | |||
臨床検査精度管理調査 | 日本医師会 | |||
臨床検査精度管理調査 | 日本臨床衛生検査技師会 | 与えられたサンプル(細胞像・心電図・尿等)に対する評価。 | ||
細胞 | ||||
生理 | ||||
一般 | ||||
先天性代謝異常等スクリーニングの精度管理事業 | タンデムマス・スクリーニング普及協会 | 精度管理用サンプル検体を一般検体と同様に測定し,測定結果の正確性が評価される(分析装置の精密性に関する精度管理も含む)。 | 血液濾紙 | 月1回 |
IGRA検査(QFT検査)外部精度管理 | 特定非営利活動法人 結核感染診断研究会 | 与えられたサンプル検体を測定し,測定結果の正確性が評価される。 | コントロールパック | 年1回 |
精密検査医療機関からの情報に基づく検診精度の評価
(1)「がん検診追跡調査等事業」
当協会では,茨城県からの受託事業である「がん検診追跡調査等事業」を実施しています。この事業の目的は,がん検診の精度向上並びに評価を行うためであり,市町村が実施したがん検診の要精密者の登録管理を行うとともに,県内各精密検査医療機関から治療情報等を収集しています。集められたデータは,当協会が設置する各種研究委員会や県が設置する生活習慣病検診等管理指導協議会の検討資料として活用され,行政運営や政策等に活かされています。
(2) 蓄積データの活用
当協会では,年間約30万件の結核健診をはじめ,各種がん検診,循環器健診等を実施し,膨大な健診データを蓄積しています。
これらの健診データは,国や県をはじめ,結核予防会,日本対がん協会,予防医学事業中央会に対し報告を行い,保健医療行政立案の基礎データとして活用されています。
また,当協会が運営している「茨城県立健康プラザ」においては,生活習慣病と健診結果との因果関係やリスク予測等についての研究を進めています。
各種認定
(1) 施設認定
公的健診機関としての社会的責任を認識し,それぞれの認証を取得しています。
● 施設関連認定一覧
認定名称 | 認定機関 | 関連する検診 | 認定内容 |
---|---|---|---|
プライバシーマーク | 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) | 全ての健診・検査 | 日本工業規格が要求する事項に適合して,個人情報保護のための体制整備が確立されている事業者等として認定されています。 |
労働衛生サービス機能評価認定 | 労働衛生サービス機能評価委員会 | 労働安全衛生法に基づく各種健診 | 設備・機器,人的体制,技術,データ管理,各種規程の整備等の健診機能が総合的に評価され,優良施設として認定されています。 |
胃がん検診実施機関 | 茨城県生活習慣病検診等管理指導協議会 | 胃がん検診 | 各専門医師のもとに十分な指導体制がとれており,がん検診の質の高さや検診後のフォローアップ体制が認められたものです。 |
肺がん検診実施機関 | 肺がん検診 | ||
乳がん検診実施機関 | 乳がん検診 | ||
子宮頸がん検診実施機関 | 子宮頸がん検診 | ||
子宮頸がん検診 検査機関 |
検査体制など総合的な調査を受け,検査能力の高さを認められたものです。 | ||
マンモグラフィ検診施設画像認定 | 日本乳がん検診精度管理中央機構 | 乳がん検診 | 設備,施設,画像,線量など多岐にわたる項目で評価が行われます。当協会はこの認定によりマンモグラフィ検診実施施設として質の高さが評価されています。 |
日本消化器がん検診学会認定指導施設 | 日本消化器がん検診学会 | 胃がん検診 | 指導医のもとに十分な指導体制がとれており,がん検診の質の高さが認められたものです。 |
脂質標準化プログラム認証 | 米国疾病対策予防センター | 総コレステロール HDLコレステロール LDLコレステロール |
心筋梗塞や脳卒中などの心・血管疾患の予防に重要な指標となる脂質検査のデータが標準化の基準を満たしているかの評価を受けます。当協会で測った値の精度は高いということが国際的に保証されています。 |
日本臨床細胞学会認定施設 | 日本臨床細胞学会 | 子宮がん検診 肺がん検診 |
細胞診断学医療施設として質の高さが認められたものです。 |
全国健康保険協会管掌健康保険生活習慣病予防健診実施機関 | 全国健康保険協会 | 生活習慣病予防健診 | 当協会では,全国健康保険協会管掌健康保険生活習慣病予防健診を受診していただくことができます。 |
(2) スタッフ関連の認定
各種健診に従事する技術職については,関連する学会等の認定資格を積極的に取得し,自己研鑽ならびに検査精度の向上に努めています。
● 技術スタッフ関連認定一覧
認定名称 | 職種 | 認定機関 | 関連する検診 | 認定期間 |
---|---|---|---|---|
日本消化器がん検診学会認定医 | 医師 | 日本消化器がん検診学会 | 胃がん検診 | 5年 |
認定胃がん検診専門技師 | 放射線技師 | |||
検診マンモグラフィ読影認定医 | 医師 | 日本乳がん検診 精度管理中央機構 |
乳がん検診 | |
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師 | 放射線技師 | |||
認定細胞診専門医 | 医師 | 日本臨床細胞学会 | 肺がん検診 子宮頸がん検診 |
|
認定細胞検査士 | 臨床検査技師 | |||
日本マス・スクリーニング学会認定技術者 | 臨床検査技師 薬剤師 |
日本マス・スクリーニング学会 | 先天性代謝異常等検査 | |
超音波検査士 | 臨床検査技師 | 日本超音波医学会 | 腹部超音波検診 |
その他
(1) 確かな結果をご提供するために
受診者データの経年管理を行い,顧客へのサービス向上に努めています。また,担当職員を全国規模の研修会等に参加させ,迅速かつ正確な結果処理のための情報収集を行っています。また,技師チェックの実施,読影時に前回情報(精密検査結果,検診結果等)を提供しています。
(2) 検診関連機器の充実
機器の定期的な更新及び点検を行い、お客様にご提供する結果が信頼できるものとなるよう常に管理しています。
お客様の声を現場に反映させるために
お客様から苦情や要望を頂くことがあります。例えば、待ち時間が長かった、案内が不親切だった、結果はなるべく早く返して欲しい、個人に合わせた具体的な助言が欲しい等々です。みなさまから頂いた声を真摯に受け止め、健診の方法や職員教育を見直しお客様の視点に立った健診のあり方を考えています。